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小林助産院は母乳専門の出張助産院です
コラム
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おしゃぶり再考
No.13
どこで産むか(その3)
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どこで産むか(その2)
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会陰切開
No.9
果汁の必要性
No.8
助産院はローテク!?
No.7
おしゃぶり
No.6
「布おむつ」?それとも「紙おむつ」!?(その2)

コラムNo.9

果汁の必要性

赤ちゃんはだいたい生後6ヶ月位から歯が生え始め、ちょうどこの頃から、そろそろ離乳食を与えようかという話になるのが普通です。ところで、離乳食の準備段階として3〜4ヶ月位の時期に果汁を与えるかどうかが問題になることがあります。

私も時々、3ヶ月位の赤ちゃんのお母さんから、「そろそろ果汁を与えたほうがいいのしょうか?」と聞かれることがありますが、私は果汁を与える必要はないと考えています。確かに、昔の人工乳は必要な栄養分が充分含まれているとは言えず、果汁が有効とされたことがあったようですが、現在では人工乳の成分も改善され、果汁が必要とされる理由は特に見当たりません。

果汁を必要とする理由には大きく次の2つが考えられます。
@ ビタミンCの摂取
A スプーンに慣れさせる

@についてですが、まずその背景を説明します。赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる時は、当然ですが、肺呼吸ができません。そこで胎盤の中で、お母さんの血液中の赤血球に含まれる酸素を自分の血液に取り込むという作業を行っています。胎児の赤血球に含まれるヘモグロビンはF型と呼ばれ、成人のヘモグロビンである、A型とはタイプが異なり、酸素との親和性が高く、酸素をより取り込み易くなっています。因みに、妊娠中の喫煙がいけないといわれるのは、ヘモグロビンは酸素より一酸化炭素との親和性の方が高いために、胎児が一酸化炭素を取り込んでしまい、結果として赤ちゃんに充分な酸素が行かず、発育が阻害されるためです。

出産後赤ちゃんは肺呼吸を始めますが、それに伴い、F型のヘモグロビンからA型のヘモグロビンへの移行が行なわれます。すなわち、F型が壊れ、A型が作られていきます。この変化は最初は徐々に行われますが、生後3〜4ヶ月位に急速に進むことになります。ご存知のように、ヘモグロビンの主成分は鉄です。A型のヘモグロビンを生成するために鉄分の充分な摂取が必要となります。一方で鉄分の吸収にはビタミンCが使われるため、必然的にビタミンCの摂取も必要となります。前置きがとても長くなりましたが、こうして生後3〜4ヶ月の赤ちゃんには、鉄分とビタミンCが必要となるのです。

ところで、昔の人工乳は牛乳に近い成分でした。牛乳には鉄分もビタミンCもあまり含まれていません。そのため、当時の人はビタミンC摂取のために果汁が有効だろうと考えたようです。しかし現在の人工乳には、充分な量の鉄分とビタミンCが添加されているので、果汁でビタミンCを補う必要はありません。また母乳の場合は、鉄分の吸収率がとてもいいので、もともとそのような心配はありません。もちろん栄養バランスの取れた食事をするというのが前提ですが。

Aについては、まさに離乳食のときに慣らせば良いのであって、全く意味がありません。

結局果汁の話は、昔はともかく今では全く必要がないにも関わらず、ある種言い伝えみたいに残っているという感じなのです。必要ないだけならまだしも、早い時期に果汁を与えることは、子どもに悪い影響を与えると言われています。

早い時期の果汁の弊害

@ 早い時期に果汁のように甘い物を与えることにより、母乳や人工乳を飲まなくなる
A 果汁は糖分が高すぎるために、赤ちゃんは吸収しきれず、お腹をこわしやすくなる

母乳育児10ヶ条(コラムNo.1)ではもちろん禁止されていますし、アメリカでも、小児科学会が、「6ヶ月以前の赤ちゃんに果汁を与えてはいけない」という勧告を出しています。大人からすると、「果汁」というと何か身体に良さそうなイメージがあるので、赤ちゃんにも良いのかなと錯覚してしまいがちですが、これはもう少し大きくなってからのお楽しみにした方が良さそうです。

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